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#6‐2「面白い家がつくれそう!」ピンときた三面採光の物件の付加価値とは?_物件探し編(リノベる。スタッフの家づくり)

連載企画「リノベる。スタッフの家づくり」では、中古マンション購入+リノベーションのワンストップリノベーションサービス「リノベる。」のスタッフの自邸づくりを紹介します。いつもはお客さまに提案する立場のリノベのプロが、どのように物件探しやリノベーションを行なったのか、ユーザーとしての迷いや悩みなどのリアルボイスと、プロならではのノウハウや工夫をお届けしていきます!

前回に引き続き、設計デザイナーの天野慎太郎さんの家づくりをご紹介します。戸建て志向だった天野さんは、たまたま見つけた中古マンションにピンときて衝動買い。この物件はなぜ、戸建てへの思いを上回ったのでしょうか。決定的要素について、お聞きします。(文 村崎恭子)

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・マンション(RC) 14階
・面積:92㎡
・築年数:築42年(購入時)
・エリア:大阪市西区
・家族構成:夫婦+長男(9)、次男(6)

一番の条件「広さ」を凌ぐ付加価値

最終的にはマンションを購入した天野さんですが、戸建てを探していた時から1番の条件は「広さ」だったといいます。

「延べ床面積100㎡以上に絶対住みたい、という1つのボーダーラインがありました。それまで住んでいた60㎡の賃貸にもそれなりに満足していたけれど、大きい空間にお気に入りの家具を置きながらゆったり過ごしたかったので、広さにこだわっていました」

ところが、現在の物件は92㎡。求めていた広さには10㎡ほど足りませんでした。ただこの物件は、立地・価格・構造の面でその不足分を「超えられるな」と感じる付加価値を持っていました。

前向きな妥協ができた理由

その一つは立地です。駅まで徒歩3分という利便性だけでなく、夫婦ともに大阪付近で20年近く過ごしていたこともあり、子どもたちの保育園、友人やご近所さんとの付き合いを変えることなく、新しい暮らしを始めることができる点は、家族にとっても安心だと考えました。

そして何より、天野さんが大事にしていたのは「面白い家がつくれそうか」という勘でした。図面でこの物件の三面採光にピンときて内件予約をした天野さんでしたが、内覧時にその勘は確信に。長年の経験で「光をふんだんに取り入れ、豊かな空間がつくれる」とすぐに判断し、即購入に至りました。

旧耐震でも安心感があった

家づくりの可能性を十分に感じられたものの、この物件は旧耐震基準。中古マンションを熟知する天野さんは、衝動買いをするにあたってどのような点を確認したのでしょうか。

「事前にネットの情報で竣工当時の施工会社を確認していて。信頼できる会社だったので安心していました。念のため、竣工図で建設当時の図面を見たところ、柱がとても大きかったので、まぁ大丈夫かなと。実際にリノベーションで解体しても、クラック(※)が一つも入っていなかったので『これは強固に建ってるな』と、のちほど確認できましたね」
(※)建物の内壁や基礎などにできるひび割れや亀裂のこと。

解体工事で露わになった躯体

当時の施工会社も決め手の一つだったという天野さん。買い付け後には管理状況や大規模修繕履歴、修繕積立金額と修繕計画などを一通り確認し、健全なマンションであることを確認したそう。耐震基準と施工会社、管理状況などを総合的に見て判断できるのは、たくさんの中古マンションを見てきたプロならではの視点があるからかもしれません。

いよいよ次回、この物件で天野さんがつくった家を紹介したいと思います。

staff profile

天野慎太郎
社歴11年のベテラン設計デザイナー。大阪オフィスに勤務し、これまでに手掛けたリノベーション物件数は約70件。

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