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くらしの中に「フィンランド」を。中古マンションリノベでいつでもサウナと外気浴【好きでつくる暮らし byリノベる。#4_フィンランド】

あなたが暮らしの中で大切にしたい、好きなことはなんですか?連載「好きでつくる暮らし byリノベる。」では、リノベる。のお客さまが、暮らしの中で大切にしたいこと=「好き」を反映した、リノベーションならではの住まいづくりをご紹介。好きから生まれ、好きを育む、「好きでつくる暮らし」を覗いてみませんか?

前回の「インテリア」に続き、4回目のテーマは「フィンランド」。フィンランド好きが高じて、ついに部屋にサウナ(!)まで作ってしまった伊藤さんのお宅にお邪魔しました。(文・高橋有紀)


<基本データ>

場所:神奈川県川崎市
築年数:築37年
広さ:64.80㎡
間取り:2LDK+納戸 →  2LDK+WIC+サウナ
家族構成:ひとり暮らし+猫2匹

<画像>間取り図

BEFORE
AFTER

<物件紹介>念願のサウナルームを設置

廊下からドアを開けると、包み込まれるような暖かさがほんわりと伝わってきました。視界に飛び込んでくるのは2本の白樺の木。ここが、伊藤さんのご自慢のプライベートサウナルームです。フィンランドが好きで、現地にも何度も足を運んだことがある伊藤さん。

伊藤さん「フィンランドでは自宅にサウナを持っている家が多いです。集合住宅でも交代制で使えるサウナがあって、サウナが当たり前というライフスタイルなんです。日本人が温泉や湯船に浸かるのが好きな感覚に似ているかもしれません。会社の会議室にもサウナがあったりして、サウナの中で商談したりっていうことが本当にあるんですよ」

家に遊びにきた友達と一緒にサウナに入ったり、サウナの後にベランダでまどろむ時間が至福の時間だと言います。念願だったサウナルームを設置したこの家は、中古マンションを購入しフルリノベーションしたことで実現しました。

サウナ室は3人入れる充分な広さがある

<きっかけ>フィンランドにいるみたいな暮らしを日本で

伊藤さんがマンションを購入しようと思ったきっかけは、コロナ禍でフィンランドへ行くことができない日々が続いたことでした。

伊藤さん「もうフィンランドになかなか行けないんじゃないかなって、ちょっと絶望した時がありました。フィンランドで部屋を借りて暮らしたところの雰囲気だったり、ホストファミリーの家で入ったサウナだったり、そういうのをやっぱり時々思い出すんですよね。この先フィンランドにもし行けなくなっても、フィンランドにいるみたいな暮らしが日本でもできたらいい、と思ったのが、リノベーションしたいなと思ったきっかけです」

マリメッコのファブリックパネルがキッチンのアクセントに

マンション購入に踏み切る時、気になったのが、女性の単身でローンが借りれるか、そして払えるのかということ。そこで、都内で15年以上一人暮らしをしてきたこれまでの家賃を計算してみた結果、結構な金額に。この金額を今まで払えて来たならマンションも購入できるのではと踏み切ることができたのだそうです。

さらに、リノベるの単身女性向けセミナーに参加した時の出会いが決定的なものに。
伊藤さん「その時担当してくれた方が、私の『フィンランドが好きでサウナを入れたい、家の中にフィンランドを作りたい』という話を丁寧に聞いてくださって、とても楽しく時間が過ぎていったのを覚えています。この人とだったらできるかもしれないと思って決めました」 

<物件探し>「風通しの良さ」で即決

大きな窓から、カーテン越しにやわらかい陽が差し込む。伊藤さんのお気に入りの場所

伊藤さん「玄関を開けた瞬間、風がぶわっと吹き抜けたんですね。家の中を。風通しがすごくいいマンションで、玄関に内ドアもあるんですが、サウナの後にこの風に当たりたいなっていうイメージが思い描けたので、あ、ここがいいなと思いました。」

実はこの物件、伊藤さんが内覧で一番最初に見た物件でした。物件探しの条件としては、
・ペット可であること
・友人が泊まれるような広さがあること
・リノベーション費用を確保できる予算であること
を優先させたそう。沿線を広げたり、駅から距離のある物件を視野に入れることで価格を抑えつつ絞っていきました。

内ドアがついている玄関。開けると心地よい風が流れ込んでくる
玄関からベランダへ風が吹き抜ける

<リノベーション>フィンランドの暮らしの工夫を取り入れる

伊藤さんの住まい作りのキーワードになるのは、やはりフィンランド。フィンランドの何が好きなんですか?と尋ねると、「ライフスタイル」という答えが返ってきました。

伊藤さんは、フィンランドで3ヶ月ほどホームステイをしながら暮らした経験があります。道端にはきれいに花が咲いていて、それを少しだけ摘んで食卓に飾ったりするのが、ホームステイをしたお宅での日常の風景だったと言います。

伊藤さん「フィンランドでは、自然享受権といって、自然の恵みを誰もが楽しむ権利が法律で定められています。森に入ってベリーなどを自由に取っていいんだけど、取りすぎるとなくなってしまうので、ちゃんと次の世代のことも考えて、思いやりを持って自然と接している。そういう考え方が私はすごく好きなんです」

リビング側を仕切る壁の上部を抜いて、リビングからも白樺が見える。手前にあるのはフィンランドの伝統的なモビール「ヒンメリ」。

そうしたフィンランド人のライフスタイルや暮らしの工夫を取り入れたいと思ってこだわったのがキッチンです。

キッチンのポイントは、水切りができる食器棚。流しの上に食器棚がついていて、食器を洗ったあとそこに収納してしまえば、いつの間にか水切りができて乾いている、というもの。フィンランド語で「Astiankuivauskaappi」と言うそうです。

伊藤さん「フィンランドではほとんどが共働きなので、家事が女性だけのものではありません。効率的に家事をすることを古くから取り入れていて、水切り食器棚も多くの家庭にあります。私がホームステイしたお家やAirbnbで借りたマンションにも設置してありました」 

水切り食器棚。ショールームを見に行ったら、似たような稼働式の棚があったので、既製品のものを入れたそう

伊藤さん「サウナは『totonoü』というメーカーで、フィンランドのお隣のエストニアから取り寄せました。家庭用として販売されている電気で動くサウナで、サイズは1人用からありましたが、私は友達と入れるように2〜3人用を選びました。」

物件探しの時からサウナを入れることを想定しており、契約前に、物件の電気容量の上限などを調べてもらい、入れたいサウナの電気容量や、日常使用する電気の量などを踏まえ、サウナを問題なく入れられそうか確認してから購入に至りました。

設計の段階でも、このマンションでサウナを設置した事例が過去になかったため、リノベるのデザイナーがマンションの管理組合やサウナメーカーなどとやり取りしながら、後に問題が起きないよう設計してくれました。

伊藤さん「設計の方が、サウナ後水風呂を浴びるなら水が気になるかもしれないと床の素材に磁器質タイルを選んでくれたり、寸法もサウナメーカーとどれだけ確保すれば大丈夫かなどを密にやり取りしてくれました。」

洗面・お風呂の部分を元の間取りから拡大。導入するサウナの大きさに合わせて施工した。
サウナのから水風呂の動線を意識し、洗面の床は全て磁器質タイルに

また、サウナルームの前には2本の白樺の木を設置しました。

伊藤さん「フィンランドでは湖畔のほとりの森の中にサウナがあって、外気浴では白樺を見ながら休む風景がよく見られます。そういった光景をイメージして白樺を立てました。日本では今、サウナというとエンターテインメント的なものになっていますが、そうではなくて、普通に体を温めてリラックスができる空間という感じで。そういうフィンランドのサウナが好きなんです」

ストーブの上で暖められたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる

<入居後の変化>猫のおかげで広がったコミュニティ

自宅にサウナのある生活が手に入った伊藤さん。休みの日には、朝4時頃からサウナを暖め始め、5時ぐらいからゆっくり入って、外気浴を繰り返したりしながら7時8時ぐらいまでのんびり過ごしています。

サウナ後はベランダで外気浴。手にしている飲み物は「ロンケロ」というフィンランド版のチューハイだ

伊藤さん「サウナの中は熱くてスマホを持ち込めないので、友人とじっくり話したりとか、一人の時はいろいろ妄想をしたりしています。いつもついスマホを見ちゃうので、それから解き放たれる瞬間がサウナの中にあります」

入居後の変化はそれだけではありません。保護猫2匹を迎え入れて、猫が中心の暮らしになりました。マンションのペット委員会にも参加して、ペットを飼っている方々との交流をしています。

「マンションを買うなら、絶対ペットと暮らしたいと思っていました」と伊藤さん。今では完全に猫中心の生活に

伊藤さん「ひとり暮らしで、こういう大きいマンションに住むと、あまり近所付き合いもなかったりするんですが、ペットを迎え入れたことで、ペットを飼っている人同士の交流が生まれました。相談できる人もできて、この地域に住んでいくことに対して、やっと地に足がついてきた感覚があります。また、家を購入したことで、この先自分がどのように働き続けるべきか、そのためにどうすべきか見えてきました。医療保険を見直しましたし、今の仕事は通勤しているのですが、猫達のためにリモート勤務ができるように変えてきたいと思っています」

元々友人を泊めるためのゲストルームとして作った部屋が、猫ちゃんたちの専用部屋に

<これから>フィンランド語のレッスンを再開して

シンプルでありながら、色使いや小物など随所にフィンランドを感じさせる

フィンランド人の友達が家に遊びに来た時に、「うちの実家に似てる」と言ってくれたこともあるという伊藤さんのお部屋。
フィンランドパンを焼いたり、フィンランド料理を作って、フィンランド人の友達を呼んでパーティーをしたり、と今後の構想もどんどん広がります。

フィンランド語のクラスに通っていたときの教科書

伊藤さん「今はちょっと中断してしまっているんですが、落ち着いたらフィンランド語のレッスンを再開して、家ではフィンランド語のラジオが流れているような、フィンランドで過ごしたのと同じ空間を作りたいと思っています」

<動画>YouTubeでルームツアー動画を公開中

いかがでしたか?今回紹介した住まいのルームツアーを公開中です。ぜひご覧ください。

<note>過去連載記事はこちら

<サービスサイト>リノベる。

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