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ヴィンテージ家具や古道具の取り入れ方。ストーリーを楽しむインテリアと暮らし|中古マンションリノべ【好きでつくる暮らし byリノベる。#3_インテリア】

あなたには、暮らしをいとなむ上で欠かせない存在がありますか?

連載「好きでつくる暮らし byリノベる。」では、リノベるのお客さまが、暮らしをいとなむ上で欠かせない存在=「好き」を反映した、リノベーションならではの住まいづくりをご紹介。好きから生まれ、好きを育む、「好きでつくる暮らし」を覗いてみませんか?

前回の「キャンプ」に続き、第3回目に登場してくれたのはインテリアや家具が共通の趣味という井上隆人さん・七海さんご夫婦。リノベーションとインテリアの切っても切り離せない関係について伺いました。
(文・高橋有紀)


<基本データ>

場所:神奈川県川崎市
築年数:築23年
広さ:73㎡
間取り:3LDK→2LDK+WIC
家族構成:夫婦

<画像>間取り図


before
after


<物件紹介>お気に入りのインテリアに囲まれて

「このビンテージのアーコールチェアは結婚のお祝いに父が買ってくれたもので…」
「ミナペルホネンの生地が張ってあるチェアは、リモートワークが始まった頃に、二人で家具屋を回って買って……」

お気に入りのインテリアについて語ってくれるのは今回訪問したお宅の井上さんご夫婦。実は2人ともリノべるの社員で、同期でもあるお二人。夫の隆人さんは法人事業を、妻の七海さんはライフスタイルコーディネーターを担当しています。

インテリアや家具は二人の共通の趣味。インスタグラムなどで好みのものを見つけては、家具屋に足を運んで実際に見たりしているそう。
たまプラーザ駅から歩いて10分ほどの中古マンションを購入しリノベーションしたのは3年前です。

七海さん「憧れのソファーがあって、それを家に置きたいなと思ったのも住宅購入のきっかけの一つになりました」

福岡にあるお店hummingjoe(ハイヒュッテ)のナップ デイベッドというソファー。背中にラタン、脚には真鍮が使われている。ファブリックはフランスのビンテージのものを選んだ。

七海さん「部屋の色味や内装は憧れのこのソファーに似合うものにしたいなと思って、それが家のデザインのベースになりました」

照明の一部に真鍮を使うなど、リノベーションの細部に、ソファーのエッセンスを取り入れました。

ソファーで使用されている真鍮にテイストを合わせ、照明にも真鍮を使った。

他にも家具屋さん巡りをしながら二人の好みに合うインテリアを少しずつ増やしてきました。お気に入りのインテリアに囲まれて、暮らしの中に小さな幸せが増えました。

七海さん「家でコーヒーを飲んでいるだけでも、ああ、いい家だなって思えて。見ている景色というか、好きなものしか空間にないので、そういった点で幸福度みたいなのは上がったなと思います」

<きっかけ>住みたい暮らしが実現できる

2020年の夏、結婚と同時に二人の「住まいづくり」はスタートしました。もともと二子玉川の賃貸マンションで暮らしていた二人ですが、結婚を機に「家族で暮らしやすく好きなものに囲まれた暮らしがしたい」と思ったのがきっかけでした。そんな二人にとって身近な選択はリノベーションでした。

隆人さん「僕は大学時代に自分でリノベーションした家に住んでいましたし、ここに住む前の賃貸2人暮らしの時もリノベーションされたマンションだったので、リノベーションによって住みたい暮らしができるなっていうのは、なんとなくイメージがついていましたね」

七海さん「注文住宅や平屋の戸建てへの憧れもありましたが、都内に行かないといけない仕事でもあるので、そのバランスを考えるとマンションが現実的かなと思い、リノベーションという選択肢が私の中では第1候補でした」

素材や加工も自分たちの好みを反映。「なぐり加工」と呼ばれる伝統的意匠も取り入れた。

<物件探し>こだわりポイントは、眺望、ヌック、玄関の位置

エリアや広さなど、二人が考える条件には当初、食い違いがありましたが、表参道のオフィスからドア TO ドアで1時間、70平米ほどの広さ、というところに落ち着きました。あまりコンパクトだと、空間の面白みが減ってしまう、と考えたからです。
そうした条件以外にも、二人には「こうだったらいいな」というポイントがあったのだそう。自分たちが大事にしたいことがはっきりしていたため、当てはまった物件を即断することができました。

例えば隆人さんがこだわったのは、玄関の位置。

隆人さん「マンションって大体、長方形の短い方に玄関があって、奥に部屋が広がっています。フルリノベーションの場合は壁や天井を壊し、スケルトンというコンクリートや配管むき出しの状態にしてゼロから作るのですが、その構成は変えられない。長方形の長い方の真ん中に玄関があったほうが、建築っぽい面白いことができると感じていました」

もう1つは、ヌックと呼ばれるスペースです。近年、住宅設計でニーズが高まっているヌックは、小ぢんまりとしたくつろぎスペースのことで、スコットランド語の「neuk(ヌーク)」(温かくて心地の良い場所)が語源といわれています。

隆人さん「家でだらだらすることが好きなので、こういう窓辺の空間にちょっとしたスペースが欲しいなと思っていました」

撮影時は秋だったので窓から紅葉が楽しめる。

一方、七海さんの決め手となったポイントは、眺望です。

七海さん「前の家は、デパートの真横みたいなところでトラックもうるさかったり、窓を開けたりはしづらかったんです。ここは、お隣の老人ホームの庭が借景できて、春には桜、5月にはツツジ、それからサルスベリの花、秋には紅葉、と楽しませてもらえる。昔から四季を感じられるような景色や環境が好きだったので、ここにしたいと思いました」

<リノベーション>ダブルリビングでお互いの生活リズムを尊重

設計士さんとの話し合いの中で間取りなどは決めていきましたが、真ん中玄関の作りを生かして、リビングを二つ作るダブルリビングのアイデアを採用しました。

寝室横のセカンドリビングのスペース。

お仕事柄、二人の休みはバラバラ。お互いの生活リズムを邪魔しないで過ごせるように、という意図です。

さらに、共働きで「家事はどちらもそんなに几帳面にやるタイプじゃない」というお二人。家事動線に関しては隆人さんが中心となり、「ズボラな2人でも、家がきれいに維持できることを大事にしました」

 例えばお風呂場横の脱衣所兼ランドリールーム。来客があったとしても、お風呂を使わない限り目につきません。ここにドラム式洗濯機を置き、その横にはアイロンをかけたり畳んだりできる作業スペースを作り、その下にすぐ洋服を収納できるようにしています。動きに無駄がありません。

汚してもOKな部屋として家事ルームを設置。乾燥機から取り出した洋服もすぐにしまうことができる。

七海さん「バタバタの時とかは、とりあえず乾燥機だけ回して、その台の上に置きっぱなしにしていますが、そうしたとしてもリビングは常にきれいに保てます。前の家だと、仕事から帰って散らばった洗濯物を見てテンションが下がるみたいなことがありましたが(笑)」

脱衣所にスペースを作った分、洗面台は廊下に出す形にしましたが、ここにも工夫がありました。

隆人さん「廊下に洗面台があると、帰ってきてすぐ手を洗えるのが良いです。あとは友達を家に招いたときに生活感の出やすい脱衣所を見せずに、気軽に手を洗ってもらえるのでおすすめです。」

PARTS&SUPPLYのオリジナル洗面台。ここにもラタンが使われている。
キッチンは壁付にして左右どちらからも回れるように動線を工夫した。
作業台はお気に入りのartek(アルテック)のダイニングテーブルのサイズに合わせて造作。お皿やコップなどの収納としても活用している。

ラタンや真鍮などの素材を取り入れ、ソファが似合う内装を作り上げてきましたが、リノベーションとインテリアの関係性について、七海さんはこんなアドバイスをしてくれました。

七海さん「リノベーションが器で、それに乗せるのがインテリアっていうイメージを持たれがちですが、実はどちらも大事なお皿なんじゃないかなと思っているんです。リノベーションをすごい素敵にしてインテリアは後から、っていうよりも、このインテリアを置きたいから、それに合わせた空間を作るとか、並行して検討するとよりいい住まい作りができるんじゃないかな」

<入居後の変化>余白があるから楽しめる

暮らし始めてからも、少しずつお気に入りの家具や小物を増やし、配置を変えたりしながら楽しんでいるというお二人。旅先で飲んだクラフトビールの瓶を並べたり、絵を飾ったり。

こうした楽しみが維持できているのは、実は当初から「余白」を意識していたからです。

リビングにあるチェストは表参道のアンティーク家具屋「pejite」で購入。住む家が変わっても馴染みそうという思いで購入に至った。
リビングの隅に置いているのは北欧家具屋のhaluta(ハルタ)で購入した電話台。ミナペルホネンの布地を使ってリメイクされている。

七海さん「設計者さんと『yohakhaus(よはくハウス)』というテーマを決めて住まいづくりをしていたんです。完璧に作り込みすぎると、それ以上もそれ以下もなくなって、その決められた暮らしをしなきゃいけないイメージになってしまいます。少し余白を残しておくと、絵を飾ったり、桜の季節に窓辺にソファーを移動したり、自分たちで考えながら生活ができる。そのほうが面白いなって思っていて」

隆人さん「家を買ってから住むまでの期間は半年ぐらいでしたが、実際に住むのはその先何年、何十年ですよね。作った段階ではまだ完成ではありません。住んでからの長い時間の中で二人で空間を作り上げていくことを考えると、余白を残しておいたほうが暮らしが豊かになると思ったんです」

<これから>永く愛され循環されるアイテムを受け継いで

入居から3年が経ち、「大きい家具はだいぶ揃ったので、あとはしっかりメンテナンスをしながら、ずっと大事に使っていけるといいなと思っています」と七海さん。古いものを生かして価値に変えていく。その喜びは、リノベーションにもインテリアにも、共通しています。

七海さん「1960年代のイスとか、買うときに、一体どんな人が座ってたんだろうなと想像したりしますよね。歴史を知るとより好きになるし、そうやって誰かが丁寧に使っていたものを、また受け継いでいくのは、面白いなと感じます」

隆人さん「僕もやっぱりストーリーがあるものが好きなので、古いものを買うことも多いんです。買ったものに対して話せることがあると、また愛着も増しますよね」

結婚のタイミングで七海さんが父に買ってもらったというビンテージのアーコールチェア。

20代という若さでマンション購入&リノベーションを実現したお二人。家族の形が変わるなど、ライフイベントに合わせて、今後も「余白」は様々な色で彩られていくことでしょう。

<動画>YouTubeでルームツアー動画を公開中

いかがでしたか?今回紹介した住まいのルームツアーを公開中です。ぜひご覧ください。

<サービスサイト>リノベる。

中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」についてもっと知りたい方はこちら
リノベる。サービスサイト:https://www.renoveru.jp/

<note>過去連載記事はこちら

※2024年2月に「偏愛くらし byリノベる。」は「好きでつくる暮らし byリノベる。」へ名称変更しました。

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