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【都市創造ストーリー】グッドデザイン賞受賞の「SWEET AS」の担当者に都市創造事業の仕事を聞いてみた

こんにちは!人事の山﨑です!

このnoteでは、応募者の皆さまからよく質問いただく具体的な仕事内容や人、社内の雰囲気など、様々なリノベる情報をお届けします。

今回のテーマは、「【都市創造ストーリー】グッドデザイン賞受賞の「SWEET AS」の担当者に都市創造事業の仕事を聞いてみた」です。当社の法人向け事業である「都市創造事業」の仕事ややりがいなどを都市創造部の小谷さんにインタビューいたしました!

都市創造部 小谷さん

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既存ストック活用を求めてリノベるへ

ーー小谷さん、本日はよろしくお願いします。
さっそくですが、簡単に自己紹介をお願いします。

よろしくお願いします。
私は、建築系の大学院卒業後、オフィスの内装設計施工、海外のディーラーのショールームのデザインのリニューアル、工務店、設計事務所で木造住宅の建築設計に携わり、2019年4月にリノベるに入社しました。

ーー幅広く経験されてきたのですね。
リノベるへの応募のきっかけを教えてください。

一棟リノベーション事業がある会社を探していたなかで、人材紹介会社から紹介していただいたことが応募のきっかけです。
もともとリノベるは住宅リノベーション会社と思っていましたが、一棟リノベーション・コンバージョンを行なう都市創造事業があることを知りました。

ーーなぜリノベーションに興味をもたれたのですか?

もともと古い建物への敬意をもっていたことがリノベーションに興味をもった理由の一つです。
学生時代、ヨーロッパに旅行するなかで、歴史的な街並みや現代的な街並み、それらの文脈が今にわたって受け継がれていることに美しさを感じていました。
一方日本で伝統的な景観で残っているのは一部の建物だけでした。何で日本と海外でこんなに違うのかに疑問を持ち、学生時代は日本建築史を専攻し、街ができていく過程を学んでいました。

建築の仕事をするには、まず新築をつくる過程を知ろうという想いで新築に携わっていました。実務をしていくなかで、今ある既存ストックを活かすリノベーションを通して豊かな暮らしのある街を増やしていきたいと強く思うようになりました。

ーーリノベるへの入社の決め手はなんだったのですか?

決め手は、多様なバックグラウンドを持った経営陣がいることでした。
業界の既成概念にとらわれない新しいチャレンジを受け入れてをしてくれそう、その結果おもしろいことにチャレンジできそうだと思いました。
リノベるには、私の「決められたことを行なうよりはチャレンジしたい、きついこともあるだろうけどそのぶん楽しみたい」という想いが実現できそうな環境があると感じました。

ーーチャレンジを通して仕事を楽しみたいという想いがあったのですね。

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鉄工所をスポーツ複合施設に

ーー小谷さんが所属する都市創造部はどのような部署ですか。

建物一棟のリノベーション・店舗・オフィス・商業施設の設計施工及びコンサルティングを行なっている部署です。
リノベるでは、建物種別を限定せず、建物の持続のための事業の収益性にもコミットするため、その街の歴史やそこに住んでいる人の属性を踏まえ、長く使われる建物になるには何が必要かを考えてプランを作成します。
それゆえ、その街のことを考えたうえで、必要に応じて立て直す新築を提案することもあります。

当社のミッションである「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」を体現するために、事業性という観点で、「かしこく=長く使われる建物か」、そのまちの文脈を汲んでいるかという観点で「素敵に=そのまちに長く愛される建物か」、を大事にして事業を推進しています。

ーーリノベるでは今までどんな案件を手がけられたのですか?
現在入社して3年目ですが、企業が保有している社宅を賃貸住宅にするプロジェクトや、築50年の共同住宅をリノベーションするプロジェクトを担当していました。
昨年竣工した、築45年の鉄工所をスポーツの複合施設にコンバージョンした「SWEET AS」も担当させていただきました。

ーー「SWEET AS」はグッドデザイン賞やリノベーション・オブ・ザ・イヤー2020の無差別級最優秀賞も受賞されたプロジェクトと聞きました。
ぜひ今回詳しく聞かせてください。

築45年の元鉄工所をカフェレストラン、バー、バスケットボールを中心とする多目的スポーツコートを備えた複合施設へコンバージョンしたプロジェクトです。
企画を含めると期間は約1年半にわたりました。

最初の3〜4か月は山口県長門市がどんな街なのかの調査をし、施主であるヤマネホールディングス社がどのようなことを実現したいのかをオンラインでヒアリングを行い、事業計画やプランの企画検討を行いました。
その後1か月かけてプランに落とし込み、設計契約を締結しました。
契約後は、3〜4か月かけて基本設計の実施、地元の設計事務所であるM.DESIGN ASSOCIATES一級建築士事務所とともに、実施設計や設備・構造設計を行いました。その後半年にかけて施工を行い、2020年9月にオープンを迎えることになりました。

協力体制としては、全体のプロデュース兼施工をヤマネ鉄工建設株式会社、
申請業務や役所との協議、設備・構造・実施設計の大部分をM.DESIGN ASSOCIATES一級建築士事務所、基本設計・デザインをリノベるが担当しています。

通常は、プロジェクトマネジメントとして事業計画から、基本計画、実施設計、実施(工事)まで一貫してリノベるが担当することが多いのですが、地元企業と共に協力しながら柔軟に対応できるのもリノベるの特徴だと思います。

「SWEET AS」Before

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「SWEET AS」After

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ーー様々な協力会社を巻き込んでプロジェクトを推進されたのですね。当初施主にはどのような想いがあったのですか?

2つの想いがありました。

ひとつは長門市を離れた若者たちが将来「帰ってくる場所」となるような地域の拠り所を作ることです。
長門市には高校より先の教育機関がなく、高校卒業と同時に多くの若者が進学のために市を離れます。都市部への流出による急速な人口減少と高齢化を防ぐために、一度離れた若者が、将来帰郷を選択する一助になることを目指しました。

あとひとつは地方都市の本質的な課題である「多様性」を実現するための一つとなる地域コミュニティを形成の場所にすることです。

スポーツをキーワードに遊休資産となっていた鉄工所を利活用することで、それらの想いを実現したいと施主からお話をいただきました。

まちの新しい価値に。

ーーなぜスポーツがキーワードだったのですか?

施主のスポーツに対する強い想いからでした。
このエリアは、戦後からラグビーに親しむ文化がありました。 先ほどもふれましたが、施主は「多様性」を実現したいという想いをもっており、その一手として、7人制女子ラグビーチーム「ながとブルーエンジェルス」のメインスポンサーを務めています。
またラグビーが盛んなニュージーランドでは、地域のラグビークラブには必ずクラブハウスが併設され、地域の人々が集い交流を図ることで、スポーツ文化を中心とした地域コミュニティが育まれています。

そこで、遊休資産となっていた鉄工所を「スポーツを軸に利用者もスタッフも、皆が楽しめる場所」にし、長門に誇れる「多様性に富んだコミュニティ」を作り育むことを目指しました。

スポーツコート

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ーーそのような背景があったのですね。
そのような課題があるなかで、工夫された点を教えてください。

施主が大事にされていた
・年齢や性別問わず、誰がきても楽しめる場所にしたい
・地方の閉塞感ではなく、多様性あふれるコミュニティを作っていきたい
この2つの想いを実現できるような空間づくりをしました。
例えば、お父様、お母様方が、安心して小さな子供を連れてこられるように、多方面から見守れる施設の真ん中にキッズスペースを設置しました。子供はキッズスペースやボルダリング‧トランポリン‧バスケット等で遊び、子供が遊ぶ様子を、大人はコーヒーやお酒を楽しみながらリラックスして近くで眺めることができます。

あとはジェンダーレストイレがあることです。通常の多目的トイレと違い、トイレと洗面台に仕切りがあり、性別を気にせず身だしなみを整えられます。都市部では最近見かけるようになってきましたよね。

ーー多様性あふれるコミュニティを作っていくうえでは、運営面も重要かと思いました。
その点についても聞かせてください。

おっしゃるように、運営面もとても重要です。どのような建物をつくるかというハード面ももちろん大事なのですが、どのように運営していくかというソフト面もすごく大事です。運営に力を入れることで、そこで新たなコミュニティが生まれ、まちに長く愛される建物になっていくのです。

この「SWEET AS」では、運営は施主がスポンサーを務める「長門ブルーエンジェルス」が行なっています。
オープン以来、子供向けマルチスポーツ教室、バスケットボール教室、英会話教室など、様々なイベントが開催されており、選手と地域住民が交流する機会にもなっています。

ーー建てて終わりではなく、どのように運営していくかもポイントなのですね。今回のプロジェクトで、小谷さんはどの部分を担当されたのでしょうか?

主に企画、設計監理、全体のスケジュール管理といったプロジェクトマネジメントを行なっていました。
企画段階では、施主のご要望を議論しながら、どういうコンバージョンをするのかプラン作成・提案します。

ーー都市創造の仕事をしていて前職の経験で活きていることはありますか?

プランを考えるような基本的なところは、今までの設計経験が活きているなと感じます。
あとは私が木造の経験が多くある方なので、その経験も十分に糧になっていますね。

都市創造のやりがい

ーー都市創造事業の仕事のやりがいはどんなところですか?

自分が関わった仕事により、街をより魅力的にできること、新たな価値を加えられることですね。
今回の「SWEET AS」では年齢や性別問わず、地域住民が集い、くつろげる場所が誕生しました。施主の熱い想い、地域の文脈を汲んだ上で遊休不動産を活用し、スポーツ文化を通した多様性に富む地域コミュニティの形成に寄与する場に再生できたかと思います。

ーー地域住民が集う場所ができると、そこで新たな交流が生まれそうですね。

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ーー都市創造部門では、どんな力がつきますか?

事業性を念頭にプロジェクトを遂行する能力がつきます。
具体的にはマクロな視点とミクロな視点から建築を考えるスキルも身につきます。
マクロは、収支などの事業性の視点、つまりビジネスとしてどうかということですね。
ミクロは図面等の技術的な視点です。

私がいた設計事務所では事業性よりは設計やデザインを重視することが多かったのですが、リノベるはワンストップで企画から設計施工、運営までを行いますので、入口から出口まで幅広い知見を身につけることができます。
ーー長く使われる建物にするためには、事業性はすごく重要ですね。


日本の暮らしを世界へ

ーー小谷さんが今後チャレンジしたいことを教えてください。

世界にチャレンジすることです。
「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」
このリノベるのミッションを名実共に成し遂げれば、それは世界でも求められる仕事となるはずです。
リノベるはまだ海外展開はしていませんが、海外展開する際はぜひチャレンジしたいです。

ーー日本の暮らしの海外展開、まさしくミッション実現ですね!
最後にリノベるに興味をもってくださっている応募者に向けてメッセージをお願いします! 

「これからの暮らし」を作っていくプロジェクトに取り組めるチャンスがたくさんある環境だと思います。チャレンジの連続なので、大変な側面もありますが、同時にワクワクします。そのチャレンジを楽しみたい方には、ぜひジョインしていただきたいです。

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ーーまとめ
都市創造事業がただデザイン性ある建物を作るのではなく、遊休資産活用による社会課題を解決していること、人が集まる楽しい場所・心地良い環境を創造し、まちの新たな魅力を生んでいること、持続することを重視し、事業性を大事にされていること、そのすべてで、「まちの新しい価値になる」事業だと感じました。サスティナブルな社会になっていくうえで今後ますます求められる事業だとも思いました。一昨年にNTT都市開発社との提携も決まり、毎年大幅成長を遂げている都市創造部の今後にさらに期待です!

小谷さん、ありがとうございました!

【参考】
・都市創造部 社員インタビュー:「なぜゼネコンからリノベるへ転職? 内定者がズバリ聞いてみた。」
・リノベるニュース:「築45年の鉄工所をコンバージョンしたスポーツ複合施設「SWEET AS」が2021年度グッドデザイン賞を受賞」
・リノベるパズルブログ:【Vol.51】全国で街の新しい価値をつくる。5G時代にNTT都市開発とリノベるの協業がめざすこと


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