
【都市創造ストーリー】元専修学校を徳島の魅力を伝える体験型施設へ。プロジェクトの特徴からやりがいまで、プロジェクトマネージャーにインタビューしてみた
こんにちは!内定者の梅林です!
このnoteでは、応募者の皆さまからよく質問いただく具体的な仕事内容や人、社内の雰囲気など、様々なリノベる情報をお届けします。
今回のテーマは、「【都市創造ストーリー】元専修学校を徳島の魅力を伝える体験型施設へ。プロジェクトの特徴からやりがいまで、プロジェクトマネージャーにインタビューしてみた。」です。当社の法人向け事業である「都市創造事業」の仕事ややりがいなどを都市創造部の木村さんにインタビューいたしました!
都市創造部 木村 智行さん
団地で育った経験がリノベーションの道に
ーー木村さん、本日はよろしくお願いします。
さっそくですが、簡単に自己紹介をお願いします。
よろしくお願いします。
私は首都大学東京大学院の都市環境科学研究科建築学域でオランダ・フランスでの団地型集合住宅再生(リノベーション)の研究を行った後、都内の不動産ディベロッパーに就職し、約5年新築賃貸マンションのプロジェクトマネジメント(企画・設計・監理)に携わりました。リノベるには2017年に入社して今5年目です。
ーー大学時代からリノベーションについて研究されていたのですね。
なぜリノベーションに興味を持たれたのですか?
自分自身が団地で育った経験が影響していると思います。大学生まで団地に住んでいたのですが、団地は人の流動性が低く、若者は出ていく一方なので、少子高齢化が進んでいました。そのため周辺の学校が余り、活気がなくなっているように感じ、そのような団地を活性化させる方法としてリノベーションに着目しました。
リノベーションの研究を進めていくなかで、仕事としてもリノベーションを通した地域活性にチャレンジしたくなったのですが、私が就活していた当時は、建物一棟のリノベーションはメジャーでなく、それを実現できる会社を見つけることができませんでした。そのため新卒ではリノベーションではなく、別の軸で自分自身がやりたいことが叶えられる会社を探すことにしました。
当時、建築業界は新築事業をメインとする会社が多かったので、そのなかでも、「作るものに責任を負える仕事がしたい」と思い、自社が保有する建物を開発するディベロッパーに入社しました。建てて終わりではなく、長く使われる建物を作りたい、そのためには投資を回収できるような有益な建物づくりが求められるディベロッパーに入ろうと思いました。
ーー就活のときから長く使われる建物を作りたいという想いがあったのですね。そこから、どのようにリノべるに出会ったのでしょうか。
前職で5年働き、仕事の全体像が理解できるようになり、次のチャレンジをしたいと思うようになりました。ただ前職では変わらず新築を作っていく方向性で、今後も変わらないだろうと感じたため、転職活動を通して、一棟リノベーションができる会社を探し人材紹介会社経由でリノベるを知りました。
ーー入社の決め手は何だったのでしょう?
一番の決め手は、リノベるの都市創造事業に可能性を感じたことです。
前職で働いていた際、首都圏においては新築用に買える土地が少なく、不動産の事業化が難しくなってきていると感じていました。また既存建物が多くあるなかで、新築を作り続けるのではなく、今ある建物を積極的に活かすというアプローチは今後の建設・不動産市場でも成長余地が大きく、その市場における会社や事業にも大いに可能性があると考えました。
リノベるの都市創造事業は、建物種別を限定せずに、1棟リノベーション・コンバージョンを行なっていて、サスティナビリティは今後ますます高まる社会的要請だと感じましたし、この部署がどのように拡大していくのか、自分が今後どのような仕事をしていくのか、その可能性の大きさにとても面白みを感じ、入社を決めました。
リノベる都市創造部(前回記事引用)
建物一棟のリノベーション・店舗・オフィス・商業施設の設計施工及びコンサルティングを行なっている部署です。
リノベるの都市創造事業部では、「まちの新しい価値になる。」というミッションのもと、建物種別を限定せず、事業企画から運営までワンストップで行います。建物の持続のための事業の収益性にもコミットするため、その街の歴史やそこに住んでいる人の属性を踏まえ、長く使われる建物になるには何が必要かを考えてプランを作成します。
当社のミッションである「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」を体現するために、事業性という観点で、「かしこく=長く使われる建物か」、そのまちの文脈を汲んでいるかという観点で「素敵に=そのまちに長く愛される建物か」、を大事にして事業を推進しています。
ーーリノベるでは今までどんな案件を手がけられたのですか?
入社後、一番はじめに手掛けた案件は、宿泊施設やレストランを備えた徳島県の体験型施設「Turn Table」です。その他には民泊施設や、賃貸マンション、先日グッドデザイン賞をいただいた元鉄工所をスポーツ複合施設へコンバージョンした「SWEET AS」などを担当しました。
専門学校を徳島県の体験型施設に
ーー手掛けているものが幅広いですね!その中でも、一番はじめに携わられたTurn Tableについてお聞きしたいです。
Turn Tableは、築21年を数える専修学校の校舎を、宿泊施設やレストランを備えた徳島県の体験型施設としてコンバージョンした案件です。元グループ会社の Japan. asset management(以下Jam)と共同で、不動産取得の検討から、企画・プランニング、施工、リーシングまで、既存ストックの有効活用をトータルでマネジメントしました。
ーー専修学校を複合施設にコンバージョンした事例なのですね。
どのような関係者がいらっしゃるのですか?
東急電鉄、徳島県、Jam、リノベるの4社ですね。東急電鉄社が取得した築21年の建物を、Jamが借り受け(マスターリース)、さらにそれを徳島県へサブリースする体制となっています。2016年に東急電鉄と遊休不動産の活用において業務提携していますが、TurnTableがその第一号案件です。
ーーどのくらいの期間にわたるプロジェクトだったのですか?
期間は全体で約1年4ヶ月にわたりました。企画の詳細検討が約2.5ヶ月、基本設計や・テナントの誘致調整に3ヶ月、実施設計・積算・工事準備で4ヶ月、施工期間が5.5ヶ月でした。
ーー1年4か月にわたるプロジェクトだったのですね。Turn Tableにはどのような想いがあったのですか?
通常のアンテナショップのように「県名」を全面に打ち出すのではなく、その施設を利用するなかで、「徳島県だったんだ」と気づいてもらえるような体験型施設にしたいという想いがありました。
当初は東京にアンテナショップを作りたいという徳島県の要望から始まったプロジェクトでした。ただアンテナショップだけでは事業面で施設を持続させることが厳しいため、そのまちのニーズをくみとった複合施設にしたい、利用者が訪れたときに、ついSNSに投稿するような魅力的な施設にしたいという話がありました。
ーーそのカタチとして、マルシェ、レストラン、バー、ホステルを備えた複合施設になっていったのですね。徳島県の魅力を伝えるためにどのような特徴を兼ね備えた施設になったでしょうか?
例えば、マルシェでは徳島県の旬の食材を並べ、レストランでは徳島県の食材を楽しめるメニューが用意されています。エントランスの正面の壁には徳島のアーティストによるアート作品を展示していまして、「ここから徳島につながっている」というメッセージをこめて徳島の街並みをモチーフに描いていただいています。
内装には、床材やテーブルなどのインテリアをはじめ、徳島県の天然木材がふんだんに使われています。あとレセプションカウンターは「阿波指物」という徳島の伝統技術をつかって職人さんが木材を組んだカウンターになっています。とても高度な技術が求められる難しい組み方をしています。徳島の魅力を体験できる施設になるよう、随所に徳島ブランドを打ち出していきました。
1F:マルシェ、バル
2F:レストラン
3F~4F:ホステル
5F:テラススイートルーム
※いずれもオープン当時の写真
ーー隣の公園もリノベーションされたと聞きました。どのような経緯があったのでしょうか。
元々、建物と隣接する公園が老朽化していて、樹木もうっそうと生い茂り、地域から孤立している状態でした。Turn Tableのプロジェクトを進めている中で、東急電鉄、徳島県、Jam、リノベるの4社で話し合った結果、「Turn Tableと公園を中心に、老若男女を問わず人の流れを促し、街に活気をもたらしたい」という想いが生まれ、渋谷区にかけあい、寄付という形で公園をリノベーションすることになりました。建物だけでなく、隣の公園も同時にリノベーションすることで、「エリア価値の向上」に貢献できたのではと思います。
ビフォー
アフター
ーー木村さんはTurn Tableのプロジェクトにどう関わられたのでしょうか?
プロジェクトマネジメントの役割で関わっていました。
社内外で構成される関係者をとりまとめながら、プロジェクトの成功へコミットすることが仕事です。今回は東急電鉄、徳島県、Jam、リノベるの4社体制だったのですが、各社の合意をとりながら、プロジェクトを推進・管理していくことが求められました。
ーープロジェクトマネジメントとして、前職の経験で活きていることはありますか?
前職の経験から、プロジェクトを推し進める上で、一貫した判断基準をもつことが重要だと理解していたことはとても大きかったです。一貫した判断基準をもっていないと関係者の要望の調整に時間がかかりプロジェクトが進まないからです。この経験は今も活きていると感じます。
また、前職でも土地を購入する前の企画の段階から関わっていたため、開発事業の一連のフェーズを知っていたことも、ワンストップでのプロジェクトの推進に活きていると思います。
加えて、前職では事業主の立場であったため、事業主に判断を促す際にどのような情報があれば判断できるのか、事業主目線で先回りの対応ができることも心がけています。
リノベるでしかできない仕事
ーー都市創造事業のやりがいを教えてください。
「この仕事はリノベるでなければできなかった」と思える仕事ができたときにやりがいを感じます。例えば、スポーツの複合施設「SWEET AS」や今回の「Turn Table」は、出来上がったものだけをみると他にも似たようなデザインの建物があるかもしれませんが、プロジェクトの背景や想い、そこでのプロセスを経て、このカタチになっているのは、リノベるだからこそだと思いますし、そこでできる体験はまちの新しい価値を生み出すワンストップでのプロジェクト推進だからこそ実現したものだと感じます。
ーーワンストップでのプロジェクト推進が「リノベるでなければできなかった」と思える結果につながっているのですね。
そうですね。通常のプロジェクトでは、事業主が企画を立てた後に、設計、施工、運営と段階的に発注していきます。一方、リノべるでは、現場調査から、企画、デザイン、設計、施工、リーシングや運営までワンストップで対応しているため、企画を立てる段階から設計担当、施工担当、運営担当など複数のパートナー会社をアサインすることができます。そのため事業計画をたてやすいのです。その事業計画やコンセプトにもとづいてその後の設計、コスト、スケジュールの調整を進めていけるので、事業計画とコンセプトの実現する精度を高めることが可能です。
ーー他にもリノベるのどのような強みが「リノベるでなければできなかった」と思える結果につながっていますか?
他にも2つあります。ひとつ目は、都市創造事業のミッション「まちの新しい価値になる。」という価値観・判断基準をもって臨んでいることです。事業性という観点で、「長く使われる建物か」、そのまちの文脈を汲んでいるかという観点で「そのまちに長く愛される建物か」を大事にして事業を推進している点が、「リノベるでなければできなかった」につながっているかと思います。
あともうひとつは、企画の幅が広い点です。リノベるでは、建物の持続のために事業の収益性にもコミットするため、建物種別を限定せず、リノベーションやコンバージョンを行います。そのため商業施設、オフィス、住宅、宿泊施設、複合施設など、事例は様々です。事業主の利益を最大化する提案を出口を決めずに柔軟に打ち出していくことが出来ます。
これらの想いや体制が「リノベるにしかできなかった」と感じる仕事につながっているかと思います。
ーーリノべるの都市創造ならではの特徴があるのですね。
都市創造部で働くとどんなスキルがつきますか?
プロジェクトマネジメント力がつくのはもちろんですが、企画力もつけることができます。企画できる幅も広いですし、持続性ある建物か、そのまちの文脈を汲んでいるかという2つの観点を大事に企画するので、企画の精度が高く求められます。
加えて、これから伸びてくる業界であるリノベーションの技術も身につけることもできます。上記を総合的に獲得できるところが、リノべるの都市創造部です。
まちの新しい価値を創る
ーー最後に応募者に向けてメッセージをお願いします!
2016年からスタートした都市創造事業は株主の東急、NTT都市開発からの応援を受け、急成長フェーズに突入しました。実績が蓄積されるにつれて、さらに規模や用途、場所も様々なものとなり、顧客と社会の多様なニーズに応えるチャンスが広がっています。そこにはワンストップでの取り組みだからこそ、提供できる価値があります。ぜひ一緒に、「まちの新しい価値」を創っていきましょう!
まとめ
今回Turn Tableの事例をもとに都市創造事業の話をお伺いしましたが、東京でできる地方活性のアプローチがあるんだなと感じました。前回のSWEET ASでは地方で行なう地方活性の事例でしたが、今回のTurn Tableでは、徳島の魅力を東京で体験してもらうことで、徳島に訪れる人を増やすという東京と地方をつなぐ新たな地方活性のカタチでした。リノベーション・オブ・ザ・イヤーの無差別級部門に2年連続最優秀賞受賞している都市創造事業の今後に期待です。
木村さん、ありがとうございました!
【参考】
・リノベるパズル記事:徳島県の体験型施設「TurnTable」が渋谷にオープン―東急電鉄×リノベるの一棟リノベーション第1弾
・都市創造部 社員インタビュー:
「なぜゼネコンからリノベるへ転職? 内定者がズバリ聞いてみた。」
【都市創造ストーリー】グッドデザイン賞受賞の「SWEET AS」の担当者に都市創造事業の仕事を聞いてみた
・リノベーション・オブ・ザ・イヤー 無差別級部門最優秀賞受賞事例
2020:SWEET AS_スポーツを中心に地域コミュニティが生まれる場所
2021:BOIL_通信発信基地局から、地域参加型の文化発信基地局へ